自宅でできる簡単ストレッチ!

こんにちは、初めまして。ノービル鍼灸整骨院の中務です!  僕は普段、ご病気など様々な事情によりご自身での通院が難しくなった方々に対しての訪問施術の他に、施設にて座って行える体操のレクチャーなども行っていたりします。  そこで今回は、そちらでも行っている座ってできる高齢者向けの体操を一部、上半身の運動に絞ってご紹介させて頂こうかと思います!

どうして高齢者にとって体操が必要なのか?

体操を行う上でその意味や目的に対する理解を深めていきましょう!
ただ形だけの体操をやるのと、しっかり理解した上で取り組むのとでは運動効率が全く変わってきます。まず、高齢の方々体操の目的としては、加齢による身体能力の低下を予防したり、怪我や病気で悩んでいる方が介護状態になる事を防ぐこと、または症状の進行を遅らせるなどの目的があります。

その方法が『体操』、要は筋力トレーニングやストレッチを意味します。
「筋力低下の予防」「関節可動域の維持・改善」「神経機能の正常化」「血液循環の改善」「筋肉の柔軟性を保つ」など、たくさんの効果が期待できます。
逆にそれらを疎かにしてしまうと、徐々に身体機能が低下していき、ゆくゆくには『廃用症候群』として重症化することもあります。

特に高齢者の方は運動する時間も量も減ってしまい、それらの現象が顕著です。
1週間寝たままの状態で10~15%程度の筋力低下し、さらに気分的な落ち込みが顕著に現れてうつ状態になったり、前向きに取り組むやる気が減退したりと、精神的な機能低下も生じることになります。  よって、体操や運動は心身を健康に保つうえで必要不可欠とも言える事項であり、これをキッカケにご本人や周りの方が気にして運動の機会を設けて下さればと思います!

では、体操に対する意味や目的の理解が深まったところで、本題である体操のご紹介にいこうかと思います!今回、ご紹介する体操は上肢(じょうし)の体操です。
上肢というのは肩から手指にかけてのことで、食事や更衣動作などで欠かせない体の部位です。
さらに下肢の筋力が低下し車椅子生活になったとき、ご自身で車椅子を操作するときにも上肢の力が必要になってきます。運動は大事とわかっているけど、毎日続けることが難しい……という方でも簡単にできる体操になっています。
少し時間が空いた時にでも手軽に行なってもらえたらと思います!

 

01.腕・肩のストレッチ

まずは肩甲骨を上下運動する筋力トレーニングです。肩や首回りの筋力アップはもちろん、肩こりにも効果があります。

体操の方法

①姿勢をまっすぐに両腕をだらりと下げる。
②そこから肩で引き上げ、動きの制御を意識しながらゆっくりと下ろす。
上記の②の通り、下ろす際はゆっくりと自分で肩甲骨の動きをコントロールしながら下ろすことが大事です。

02.猫背予防を目的とした腕・肩のストレッチ

主に猫背の予防を目的としたトレーニング。姿勢の保持には背筋はもちろん肩回りも重要な部位です。

体操の方法

腕をまっすぐ前に伸ばし、腕を内側にねじり(親指が下を向く状態)、徐々に手の平を上に返しながら、腕を引いていきます。これの繰り返しになります。
腕を引いた際に背中が丸まってしまわないように注意してください。

03.肩回し

肩周りの筋肉の柔軟性を保ちます。上記と同じく肩周りの筋肉が固くなったり筋力が低下すると、円背の原因になります。

円背は立位時の姿勢が悪くなり、ちょっとバランスを崩しただけでも転倒の危険性が高まります。また内臓を圧迫し体調不良を引き起こす原因にもなるので対策しておいて損はないでしょう!

体操の方法

①来ている服の肩部分をそれぞれの手でつかみます。
②肩甲骨で背中に円を描く様に、大きく肩を回します。
③前から、後ろから回す運動を交互にやっていきましょう。
こちらも肩甲骨からしっかり動かすよう意識して行いましょう

04.グーパー運動

こちらは手の運動だけでなく、足指も同様の運動が出来ます。

体の抹消部分を積極的に動かしていくと、脳が活性化され認知症予防にもなります。

さらに手指の運動は物を握る筋肉の訓練となり、ふたを開ける、物をつかむといった細かな運動能力の維持に効果があります。

体操の方法

リズムよく左右の手指で「グーパー」「グーパー」を繰り返します。
左右の手で違う動き(例:右手がグー、左手がパーなど)にしたり、リズムを早くしたり、両腕をまっすぐ肩の高さまであげて行えば、上肢全体の筋力訓練にもなります。

05.指回し体操

指先を使うことで、単なる指の運動だけに留まらず脳へのいい刺激も期待できる体操です。

体操の方法

①両手の指をくっつけます。
②1組ずつ順番に、互いの指がぶつからないようにクルクルと回します。
単純な動作ではありますが、案外むずかしいです……!

今回、ご紹介する上肢の体操は以上です!
どうでしょうか、お役に立ちましたでしょうか?
いま日本は世界に類を見ない長寿国となりました。
が、ただ長生きをするだけでなく、その中でいかに健康な状態でいられるのか、『健康寿命』を延ばしていけるかが大事になってくるのではないかと僕は考えます。
この記事が、皆様の健康的な生活を支えるひとつのキッカケになって下されば幸いです。